民族感情

前項でも書いたように僕はスポーツはかなりどうでも良くてアジアカップの決勝出場がかかっていたことすら今日まで知らなかったくらい。

でも、アジアカップの試合の間、中国で強い反日感情があったことは知っています。
少なくともそう報道されていることは。

実際の所は分かりませんが、日本人の留学生だったかと、そのガールフレンドが反日感情の強い人々に囲まれて警察に保護されたほどですから、さぞかし強い反日感情があったのでしょう。

たしかに、日中戦争や旧日本の中国における行動(虐殺が実際にあったかどうかは別にしても)が決して褒められた物ではなく、謝罪するならはっきり、否定の使用のない形で謝罪すべきだとは思うし、そのことについて中国に一定の反日感情があることは分かります。
さらに言えば、ここしばらく、中国に対して侮辱的な劇を上演してしまったり、女体盛りをするバカがいたり、集団売春があったりなどなど近年でも日本に対して反感を抱いても無理のない行動があったことも事実です。

とはいえ、それをあえて、認めた上でもこの反日感情はあまりにも世間知らず、自分勝手なことではないでしょうか？

尖閣諸島の領有にしても、韓国との竹島の領有に比較すると歴史的経緯は薄いと思われますし、資源があるらしいことが分かったとたんに領有を主張する中国の姿勢は決して褒められたことではありません。

そして何よりも中国が封印しようとしている、横暴はチベットに対する侵略です。

これを無視して日本のことを非難することはきわめて一方的だし、近視眼的です。

おそらく、中国ではまだまだ政府のプロパガンダを信じる人が多いでしょうし、人間は自分に都合の良いことを信二がちな物ですから。

でも、百歩譲って、元朝、清朝の時代に中国がチベットを支配していたことがあるとしても、民族自決のこの時代に、１９５０年代に入って改めて、チベットに侵攻し、支配し、その文化を浸食しようとする所行はかつての旧日本以上の悪辣かつ帝国主義的な行いではないでしょうか。

たしかに、中国は多民族国家で、一民族の独立を認めることが、国内を大混乱に導くことになる可能性が高いことは間違いないでしょうけれど。(ソビエトも、かなり激しく分裂しましたし、今でも民族的な軋轢は残っていますから)
それを理由にチベットの人々を弾圧することを正当化はできないでしょう。少なくとも日本を非難しつつ、それを続けることは自己矛盾以外の何物でもありません。

さらに、中国は日本の領海を無許可で調査し、再三にわたる日本政府からの抗議を無視しています。

もし、反日感情を抱く中国の方がここを読むことがあれば、少し冷静にお互いの国が行っていることを振り返ってみましょう。

日本が決して褒められた物じゃないことは百も承知です。でも中国だって同じアナのムジナなんです。

他民族に対する反感を抱くことは自己の民族意識を鼓舞するためにはもっとも簡単で安直な方法です。
もしかしたら、中国政府も目先の国民の不満をそらすために日本をスケープゴートに使っているのかもしれません。
(折に触れて反日感情が高まる韓国の状況もそうではないかと思われる時がありますし)

そうであれば、憎むべきは日本ではありません。国民を欺こうとする政府です。日本の政府も似たようなことをしていることがあるでしょう(あまり他民族に対する怒りをかき立てるという手法は取っていないようですが)

あ、それと先に挙げた個人レベルでの問題の有りそうな行動もありましたが、それを言えば、中国の人々だって日本で凶悪な犯罪を行ったりしているじゃないですか。(そういう在留中国人に個人的な怒りをぶつける日本人は、僕は憎むべき存在だと思っています)

人間、結局の所「お互い様」なことが多いのです。

他人の非をあげつらって非難する前に、自らの身も糺してみては如何でしょうか？

異なる民族の人々がするべきことは憎み合うことではなく、理解しようと努力し合うことでしょうから。

今回は歴史的な事実についてやや調べが甘いので間違っているところがあるかもしれません。そのあたりは気が付いたら修正しますね。